Sofcho|自社の飲食店を、スプレッドシートと自作ツールで回している
マッスルバー Sofcho(ソフチョ)

- 支援範囲
- 店舗運営サポート
株式会社atmeは、沖縄県那覇市のマッスルバー「Sofcho」を運営しています。ここでは店舗の数字の管理と、現場の入力作業をどう仕組みにしているかを紹介します。受託でシステムを作る会社としてではなく、毎日それを使う側としての記録です。
概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | マッスルバー Sofcho(沖縄県那覇市) |
| atmeの立場 | 運営者兼開発者(受託ではなく自社事業) |
| 稼働中の仕組み | 売上ダッシュボード(スプレッドシート → HTML自動生成) |
| 構築中の仕組み | 店舗OS(日報・シフト・勤怠・ロール別ダッシュボード) |
| 技術構成 | Googleスプレッドシート + Google Apps Script + Python |
売上ダッシュボード:原本はスプレッドシートのまま
飲食店の売上管理でよくある失敗は、「立派なシステムに移行しようとして、現場が入力しなくなる」ことです。
Sofchoでは、売上データの原本をGoogleスプレッドシートのままにしています。現場が今まで通り入力し、そのデータからダッシュボードを自動生成する構成です。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| データ原本 | Googleスプレッドシート(現場が入力する場所は変えない) |
| 生成 | スクリプトでHTMLを出力。グラフ描画ライブラリで可視化 |
| KPI | 最新月売上/達成率/客数/客単価/営業日/参加キャスト数(すべて前年同月比つき) |
| 年計サマリー | 年別の売上・目標・達成率・客数・客単価・前年比成長率 |
| 更新 | スプレッドシートを更新 → コマンド1つでダッシュボードを再生成 |
前年同月比を全KPIに付けているのが要点です。 飲食店の数字は季節で大きく動くため、前月比で見ると判断を誤ります。
構築中の「店舗OS」:現場の二重入力をなくす
現在、SofchoとGEED(自社のスポーツジム)の2店舗を対象にした社内管理ツール「atme 店舗OS」を設計・構築しています。
出発点は、日報をテキストで報告し、それを誰かがスプレッドシートに手入力し直しているという二重作業をなくすことでした。
設計上の判断
| 論点 | 判断 |
|---|---|
| データベースを導入するか | 導入しない。 Google Apps Script+スプレッドシート構成とし、売上原本シートを正のままにする |
| ロール設計 | 管理者(全店舗)/店長(自店舗のみ+承認)/従業員(自分の情報のみ)の3段 |
| 従業員の所属 | 1人が複数店舗に所属できる構造(実際に2店舗を掛け持ちするスタッフがいるため) |
| 従業員に見せるもの | 自分の売上・バック見込み・2店舗まとめたシフト・打刻・日報入力。他人の売上と店舗PLは見せない |
従業員ダッシュボードを最初に作るのが、定着の鍵だと考えています。管理側だけが得をするツールは、現場が入力しなくなります。自分のバック見込みが見えるなら、入力する理由ができます。
勤怠:「店舗にいないと打刻できない」設計
飲食・サービス業の勤怠で必ず問題になるのが、自宅からの打刻です。ここは仕組みで防ぐ設計にしています。

| 対策 | 内容 |
|---|---|
| ワンタイムQR | 店内端末に45秒ごとに更新されるQRを表示。QRには店舗IDを含む |
| サーバー時刻 | 打刻時刻は端末時刻ではなくサーバー側の時刻のみを記録 |
| GPS判定 | 店舗から半径100m以内かを判定(QRが使えないときはGPSのみ+要承認) |
| 二重出勤の排除 | 2店舗で勤務時間が重なる打刻をサーバー側で弾く |
| 修正 | 本人は修正できない。店長承認制とし、修正履歴を保持する |
「性善説で作らない」ことが、結果的に現場の信頼を守ります。 疑われる余地をなくしておけば、誰も疑われません。
やらないと決めたこと
口コミを増やすために「AIが文章を生成し、お客様がコピーして投稿する」仕組みを検討しましたが、Googleのポリシーに抵触するリスクがあるため採用しませんでした。
代わりに、全てのお客様に同一のアンケート導線とレビューへの直リンクを用意し、AIは店側の返信ドラフト作成と集計に使う形にしています。
短期的に数字が伸びても、プラットフォームの規約に触れる施策は事業を壊します。 自社事業だからこそ、ここは慎重に判断しました。
この事業から当社が標準にしていること
- 現場の入力場所を変えない — 原本はスプレッドシートのままでも、可視化はできる
- 使う人にメリットのある画面から作る — 管理側の画面だけでは定着しない
- 不正が起きない設計にする — 性善説に頼らず、仕組みで防ぐ
- 規約リスクのある施策は採用しない — 数字より事業の継続を優先する
よくある質問
Q. 高価な店舗管理システムを入れるべきでしょうか?
A. まずは今使っているスプレッドシートから、見たい数字が出る状態を作ることをおすすめします。当社も自社店舗はその構成です。
Q. スプレッドシート管理のままでも、ダッシュボードは作れますか?
A. 作れます。本事例も原本はスプレッドシートのままで、そこからダッシュボードを生成しています。
Q. 勤怠の不正打刻に困っています。
A. 店内のワンタイムQR、サーバー時刻の記録、GPSによる距離判定を組み合わせると防げます。当社は自社店舗でこの設計を採っています。
Q. 飲食店の業務を理解してもらえますか?
A. 当社は飲食店・スポーツジム・美容室を自分で経営しています。現場の事情を一から説明していただく必要はありません。
同じような悩みを抱える企業の皆様へ
「日報を二重に入力している」「店舗ごとに数字がバラバラで比較できない」「勤怠が自己申告のまま」——このようなご相談を承っています。今使っているスプレッドシートをそのまま見せていただければ、そこから仕組みにする方法をご提案します。
